macforest.com 自転車部!Special
vikkino Road Starに触った、またがった。
デザイナー・コムカイさんが手掛ける本気度の高い
フォールディングバイクについて押し掛けレポート

以前にもこのサイトでチラッと紹介したフォールディングバイク「vikkino(ヴィッキノ)」。今回私は、この自転車を作っているデザイナーのコムカイさんを訪れ、vikkinoを見せていただくことになった。ちなみにフォールディングバイクっていうのは折り畳み自転車のことである。

vikkinoを設計しているコムカイさんはデザイナーであるが、決して本業は自転車デザイナーではない。本業はi2 designという会社でインテリアや什器、家具などの設計をしているデザイナーだ。そんな人が、どういうわけか自転車を設計している。そしてそれを、デザインや自転車のイベントに出展し、自分だけでなく仲間にも乗ってもらいながら日々バージョンアップを続けているのだ。しかも、少量ながら販売しようとしているらしい。

そんなよくわからん状況(笑)と、そして自転車そのもののカッコよさにひかれた私は、こうしてムリヤリ現場を訪れて、現物を見ようとしているわけだな。


どちらかというと長めに設計して安定感を出すフォールディングバイクが多い中で、この短さはちょっと変わってる

 


私がまたがった感じではフツーの自転車だった。コムカイさんがこれで160kmとか一気に走ったりしてるんだから、当然か

 


フレームはクロモリで、東京・町田のフレームビルダー「ケルビム」こと今野製作所で組まれている

というワケで訪れたのは、表参道の近くにあるコムカイ氏のオフィス。実は本業のほうがワリと切羽詰まっているようだったのだが、私の訪問を快諾していただいたことに多謝。ただし本当に仕事で切羽詰まっている感じがしたので、残念ながらオフィスやご本人の写真はない。

vikkinoのコンセプトは、最小のロードバイクを作るというところにあるらしい。ようはコムカイさんが自分で好きなものを作っているワケなんだが、このあたりのことは後にまわして、とりあえず現物を見る。

vikkinoは、小さくてカッコイイ自転車だ。現物を見ることができれば、あまり説明は必要無いと思う。小さくて密度が高い構成、小さなホイールにドロップハンドル。そしてきれいな塗装と相まって、大人の自転車という雰囲気が漂っている。それでいて、速そうに見えるのがいい。

またがってみると、残念ながら私には小さい(のではなくて、私がデカイ)。でも、ドロップハンドルの自転車としてはとてもまっとうな感じで、見た目ほど奇抜なポジションではない。それに、少しだけ乗ってみた感じでは乗り心地、操作性もふつうのロードレーサーとそん色ないように思えた。ロードレーサー初心者の私だが。

その後しばらく、しげしげと眺めさせてもらい、構造上のポイントなども簡単に伺った。眺めれば眺めるほどカッコイイ。私が訪れたのが表参道だったこともあるが、これで日曜日の朝とかに都会を走り抜けたら、さそかし気持ちいいだろう……そんな感じがした。

それに、こんな自転車を折り畳んで(もちろん何か袋に入れなくてはいけないが)電車で長距離移動して、下車駅でさっそうと広げて走り出す(つまり輪行ね)してみるのも楽しそう。

よく「フォールディングバイクの必然性がわからない」という人はいて、実際コムカイさんも畳まずに収納してあったのだが(笑)、折り畳めるという可能性によって使い道が広がるのは、やっぱり楽しい。少なくとも、私はvikkinoを眺めつつ少し妄想にひたることができた。

さて、素足にサンダルで外に出てきたコムカイさんが寒そうなので、中に戻って少しお話を伺った。なんでインテリアや什器、家具などの設計をしているデザイナーが、たいへんな手間のかかる自転車の設計をしているのか。

「自分でこういう自転車を作ってみたいっていう純粋な動機と、自転車は競争相手が少ないっていう不純な動機」と、コムカイさん。

聞くと、たとえば家具を作って世に出すといっても同じようなことはいろんなデザイナーがやっていて、簡単に言えば「敵が多い」。それに対して、デザイナーが設計した自転車というのは思いのほか少なく、それでいて自転車人口は多いのが面白いということなのだ。そして、コムカイさん自身が自転車を作ってみたかった、と。

じゃぁなんで折り畳みなのか。これは「折り畳みじゃないと勝負にならないから」と笑って答えたが、とにかく折り畳みが好きなようだ。ちなみにこの自転車は、縦に折れるフォールディングバイクが多い中で、横折れ式。これも「他がやってないから」だそうで、とにかく人とは違う、自分の作りたい自転車を作るというコムカイさんの姿勢が出ている。

しかしこのvikkino、冒頭でも書いたように極少数ながらフレームが販売される。つまり他の人も乗るわけで、すでに購入予定者や購入希望者の間では相当な盛り上がりを見せている。また、コムカイさん自身「使えない自転車は作らない」と断言しており、今でもvikkinoは設計の練り直しが続いている状態なのだ。だから、決してプライベートなプロダクトではない。

日本は有数の自転車生産国でありながら、最近は中国や台湾にやられっぱなし。また、スポーツ系自転車はイタリアやアメリカの海外メーカーに席巻されているような現状だ。そんな閉塞感が漂う一方で、極めて閉鎖的とも言われる自転車業界。そんな業界の中にvikkinoを放り込んで、多くの人に見てもらいたいという気持ちも、コムカイさんの中にはきっとあるハズだ。

「自転車業界からは"生意気な!"と思われているかも」というコムカイさんだったが、私はなんだか大変そうだけど楽しそうで、うらやましかったよ。

さて、コムカイさんが自転車を作り始めたことで、彼の周囲では自転車ブームが発生している。乗るブームじゃなくて、作るブーム。中にはコムカイさんに自分専用の自転車の設計を頼んでしまった人もいるらしい。そしてコムカイさん自身も、vikkinoを開発しつつ、次なるモデルも視野に入れている。

vikkinoは現在、コムカイさんやベータテスターの手で着々と開発が進んでいる。さすがに本業が忙しくてスケジュールは遅れているようだが、その完成を楽しみに待ちたいと思う。でも、そのときはひとまわり大きなサイズも用意してください>コムカイさん

vikkinoの初代〜Ver 2.3までの開発の模様は、Webで見ることができます。
vikkino.com


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